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蛍光管リサイクル協会 役割終え解散へ

蛍光管リサイクル協会 役割終え解散へ

 

蛍光管リサイクル協会は、このほど開催された理事会において、「当初めざした役割が終わった」として、5月10日(火)開催の総会において解散を議決し、2022年度を「清算年度」とすることを決めました。

1 めざしたもの

蛍光管リサイクル協会は、2020年10月1日、一般社団法人として設立されて以来10年を超える活動を続けてきました。

蛍光管には微量ながら水銀が使用されています、したがって廃棄物として排出する際には他の廃棄物とは分別し、適正処理することが必要です。また、ガラスやアルミは資源として活かすことができます。

このようなことから、蛍光管リサイクル協会は、蛍光管の適正処理のシステムをつくりあげるために活動を続けてきました。

 蛍光管リサイクル協会が一般社団法人として設立される前から「家電販売店と協働して蛍光管の適正処理システムづくりをめざす」活動、京都ビルヂング協会の会員事業所の協力を得て蛍光管の共同排出・回収の取組みが社会実験的に行われてきました。

蛍光管リサイクル協会が一般社団法人として設立されて以降、定款にしたがい、

(1)蛍光管の適正処理・再資源化に関わる情報提供・教育啓発

(2)蛍光管の適正処理・再資源化に関わる調査研究と提言

(3)オフィスビル等から出される蛍光管の回収業務の連絡調整

(4)家庭から排出される蛍光管の地域回収の連絡調整

(5)前各号に掲げる事業に付帯又は関連する事業 

に取組んできました。

 

2 何が出来たか

蛍光管リサイクル協会の活動がはじまるのを前後して、国連環境計画(UNEP)のもとで国際的な水銀規制の動きが具体化しました。

2013年10月に「水銀に関する水俣条約」が採択され、それにともなう国内対策の準備にいたる一連の経過のなかで、蛍光管リサイクル協会はNPO法人コンシューマーズ京都と共同し、「蛍光管フォーラム」「水銀条約セミナー」の開催などを通じて情報提供、意見交換の場を持つとともに提言活動を行ってきました。また、蛍光管の適正処理のルールづくりへ京都からの発信力を大きくするために、京都市会をはじめとする京都府内自治体での「意見書」採択を求める活動に取組みました。

「水銀に関する水俣条約」は2017年8月16日に発効しました。「条約」に対応する国内対策についても、2015年6月、「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」「大気汚染防止法の一部を改正する法律」が成立したのをふまえ、関係する政省令が順次施行されていきました。

各市町村では家庭から排出される水銀使用廃製品の分別回収ガイドライン」をふまえた取組みがもとめられることになり、蛍光管、ボタン電池、水銀体温計、水銀温度計、水銀血圧計など水銀使用廃製品の回収方法の具体化が市町村の実態に即しすすめられました。

 「産業廃棄物」としての水銀使用廃製品や水銀廃棄物を排出する事業者は、従来以上に「排出者責任」が求められるということを前提に、適切な事業者に処理委託をし、排出時には「マニフェスト」管理を確実に実施しなければならなくなりました。

 このように「水銀に関する水俣条約」にともなう国内対策が具体化されていくなかで、蛍光管リサイクル協会は、事業所・オフィス等から排出される蛍光管の共同排出・回収の事業の現場に即した普及啓発に取り組んでいきました。

2018年、蛍光管リサイクル協会は「水銀使用製品の確実な回収・適正処理のために」というプログラムで京都市ごみ減量推進会議の助成金をうけ、これらの内容をパンフ、チラシ、ホームページなどで広くよびかけていくことになりました。また、これまでコンシューマーズ京都の主催行事として実施されてきた「蛍光管フォーラム」についても、この助成事業の関連行事の位置づけのもと、蛍光管リサイクル協会主催の行事として企画実施されました。

2019年1月、蛍光管リサイクル協会の事務所が、新たに発足した京都循環経済研究所に置かれることになりました。

2019年から2020年にかけて、蛍光管リサイクル協会は、京都市ごみ減量推進会議助成事業として調査研究「LEDのリサイクルの可能性を探る」、調査研究「あらためて電池について考える」に取組みました。それぞれ貴重な情報収集、関係者の意見交換を行う機会になったといえます。

 

3 こんごについて

これまで、蛍光管の適正処理という課題にしぼった一般社団法人として、さまざまな役割を果たしてきたといえますが、時代の流れとして照明器具の主役はいまや蛍光管からLEDに変わりつつあります。実際に共同排出・回収の現場でも、LEDへの切り替えが終わり、今後、蛍光管の排出はなくなるという事業所も出始めています。新しい入会希望事業所の多くは、これまで排出できずに保管されてきたものをまとめて排出したいという事業所だという特徴がみられます。

蛍光管リサイクル協会の主体的な条件としては、もともと事業者として設立されたものでなく、その活動を持続させる事業基盤があるわけでもありませんでした。

このようなことから、蛍光管リサイクル協会としては「その役割が終わった」とし、解散するに至ったものです。5月10日(火)の総会での議決を経て、2022年度、解散・清算手続きをすすめていくことになります。

現在まで継続されてきた蛍光管の共同排出・回収のシステムについては旭興産業(株)と協議し、2022年度からは旭興産業(株)の「蛍光管巡回回収事業所」として登録された事業所の巡回回収システムに置き換わることになりました。

 

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